日本三大銘茶のひとつ
狭山茶は、静岡茶・宇治茶と並ぶ「日本三大銘茶」のひとつとして知られています。江戸末期から伝わる茶歌に、それぞれの産地の特徴が言い表されています。
「色は静岡、香りは宇治よ、味は狭山でとどめさす」
色は静岡が、香りは宇治が、そして味の濃さは狭山が最も優れている、という意味です。実際に飲み比べてみると、狭山茶は他産地と比べて葉に厚みがあり、味が力強いのが特徴です。
主産地は埼玉県西部
狭山茶の主産地は、埼玉県西部の入間市・所沢市・狭山市を中心とする狭山丘陵地域です。なかでも入間市が狭山茶全体の約6割を生産しており、続いて所沢市・狭山市が主要な産地となっています。
ひばりヶ丘から入間市までは、直線距離でおよそ15km。電車でも車でも30〜40分ほどの場所にあります。当店から見れば、まさに「ご近所の茶どころ」です。
鎌倉時代にさかのぼる歴史
狭山茶の歴史は鎌倉時代にまでさかのぼると言われています。江戸時代には本格的な茶業として「狭山茶」というブランドが確立し、江戸で飲まれていたお茶の多くが狭山産だったとされています。
江戸時代後期の1800年代初め、狭山丘陵の北麓に住んでいた吉川温恭(よしかわ よしずみ)と村野盛政は、江戸で蒸し製煎茶が高値で取引されていることを知り、本格的な蒸し製煎茶の製造技術を狭山に導入しました。これが、現在に続く狭山茶の基礎となっています。
独自の仕上げ技法「狭山火入れ」
狭山茶を狭山茶たらしめているのが、「狭山火入れ(さやまびいれ)」と呼ばれる独自の仕上げ技法です。茶葉を、強めの火でじっくりと時間をかけて乾燥・焙煎することで、香ばしさと、甘く濃厚な味わいを引き出します。
他産地のお茶と比べたとき、口に含んだ瞬間に「香ばしい」と感じやすいのは、この狭山火入れの効果です。寒冷地に近い狭山丘陵で育つ茶葉は、ゆっくりと栄養を蓄えて葉が肉厚になるため、強めの火入れにも負けない素地があると言われています。
松尾珈琲での提供メニュー
品書きの「日本茶・紅茶」カテゴリーに、狭山茶を3種類ご用意しています。
- 狭山茶(煎茶) ¥550 ― 茶葉本来の味を、もっとも素直に楽しめる一杯。
- 狭山紅茶 ¥550 ― 国産紅茶ブームの中で再評価されている、優しい渋みの一杯。
- 狭山ほうじ茶 ¥550 ― 狭山火入れの香ばしさが、より際立つ一杯。
食事・甘味とのペアリング
狭山茶は、味が濃厚なため、和食や濃いめの料理とよく合います。当店での合わせ方の目安です。
- 狭山茶(煎茶):秋田県産米のおにぎり、特に塩おにぎり(¥250)や鮭おにぎり(¥500)と。米の甘さを引き立てます。
- 狭山紅茶:甘味のうち、なめらかプリン(¥750)やロールケーキ(¥900)に。乳系の脂をすっきりと受け止めます。
- 狭山ほうじ茶:いぶりがっこのクリームチーズ添え(¥350)。燻した香りと焙煎の香りが響き合います。
コーヒーをお好みの方は、当店の有機栽培フェアトレードコーヒーもあわせてご検討ください。
秋田の食材を中心に据えながら、お茶だけは「歩いて行ける距離の土地のもの」を選ぶ。地産地消とまではいかなくとも、その土地に対する敬意を、一杯のお茶に込めたいと考えています。
店内でゆっくりと
狭山茶は、急須の中で時間をかけて味が変わっていくお茶です。秋田杉の店内で、ゆっくりと一杯目・二杯目の違いを味わっていただけたら嬉しく思います。お越しの際は、ひばりヶ丘駅からのアクセス案内もご参照ください。